研修会報告 vol2
 「特定保健指導〜成果のみえる支援をめざして〜」
             
     2010. 2.15 北海道倶知安管内合同研修

北海道・倶知安にて研修会の講師を務めさせていただきました

 新潟市での特定保健指導の研修に引き続き、今回は北海道、倶知安町にてお話させていただきました。
今回は午前・午後にわたる研修の中で、特定保健指導の成果をあげるために必要な考え方や工夫の他に
4つの事例検討を交えた、グループワークを行いました。


今回は倶知安・岩内保健所管内の特定保健指導に関わる行政栄養士や、在宅栄養士、
保健師の方々で、25名程の方が参加されました。
午前中は、特定保健指導に関わる皆さんの現場での悩みとして挙げられた
対象者への動機づけや行動変容につながる目標設定、成果を見せる評価方法を話題にしました。
昨年から、支援の成果をみることができない、あるいは成果を実感できないまま
保健指導に取り組んでおられる栄養士の方々の声がたくさん聞こえてきました。
そこで、私達がこの1年間の保健指導において、プログラムの成果をあげるために
培ってきた工夫やポイントをお伝えしました。

『成果が出ないのは、9割は支援者の責任である』

特定保健指導が始まる以前から、複数の診療所において計画的な栄養支援プログラムを用いた結果、
9割の方に行動変容を促し、減量や検査値の改善を行ってきた私達の経験から得られた教訓です。
特に、対象者のタイプを把握し、タイプ別のアプローチ内容を検討してきましたので、
特定保健指導の対象者は診療所の対象者とは多少の違いはあれ、それらのアプローチ方法の適用を試みてきました。
その成果は、他業者や学会発表等と比較して、ある程度よい結果を得られていましたので、
参加者の皆様に具体的な支援の手順や工夫をご紹介させていただきました。

午後は、参加者の方々が実際に関わった4つの事例を用いて、「10分で対象者を把握する」ことに焦点をあて、
優先的な問題点の抽出、成果につながる目標設定を意識的に行っていただく
グループワークを行いました。

            
            ★ 参加者の感想です ★


 ・今までいろいろな研修に参加しましたが、具体的な指導方法を提示してくださる方は少なく、
  いつも納得できない気持ちがありました。今日は先生のお話を聞けて、とても勉強になりました。

 ・上司より、指導者の技量に左右されない指導ツールはないものか?と言われていたので、
  大変参考になりました。今後、支援者も対象者もお互い、スッキリとした時間を共有できた
  らと思います。

 ・今までの自分の指導についてすごく考えさせられました。効果が出ないというよりは、自分の
  アセスメントの仕方や視点がずれていたのだということもわかりました。
 
 ・アセスメントの頻度確認は大切と思っていても、対象者の「バラバラ」等の言葉に振り回される
  こともあり、 あきらめてしまうこともありましたが、頻度こそアセスメントのポイントと心して接して
  いこうと思いました。  

 ・アセスメントをしっかり行うことが、目標をたてるうえでとても重要だと改めて思いました。

 ・アセスメントは項目が多かったり、多ければ把握できるものではなんだと思った。的を絞って
  項目づくりをすることで、 (目標が)明確化されるのだと感じた。

 ・早速、アセスメント票を作成したいと思います。  

 ・まずはアセスメンシートの見直しから始めたいと思います。 
 
 ・体重を1kg動かすということを目的に、現在の食事から240kcal削れるところを見つけるという
  発想も 新鮮でした。
  
 ・体重を1ヶ月で1kg減らす。240kcalをどう減らすかということを頭においてやりたいと思います。

 ・自分の偏った考え方で栄養指導をしていたことを恥ずかしく思いました。もっと、勉強して広い         
  視野を持って指導していきたいと思います。

                  その他、多数の感想をいただきました。ありがとうございました



一定期間に少しずつ生活を変えたり、わずかでも体重を減らしたりするアプローチもよいのですが、
実際、私達が4年以上、保健指導に関わってきた経験から、1ヶ月の中で対象者が目に見える変化を
実感できるほうが、内に秘めた意欲を引き出し、減量や生活改善に結びつくように思います。
運動や活動量をあげることも減量成果につながりますが、初めから食生活改善と
同時に行うことができる対象者はなかなかいらっしゃらないのが実状です。

「その時はできる!」と思っても(支援者は対象者の「できる!」を鵜呑みにしてしまう傾向があります。)、
実生活に戻ると、実行しにくいのは、食事よりも運動・活動量アップであるということも
私達が行う保健指導の目標実行評価から得られている教訓です。

改善しなければいけない問題点は対象者も支援者も間違いなく認識できますが、
重要なことは、どこを変化させれば、減量や検査値改善の成果が得られるか、
また、その問題点をどうやって、「実行確実な目標」にしていくかです。
面談時には対象者も「できる!」と思っていることでも、実際、日常に戻ると
できなくなる時もあることをあらかじめ想定し、その対策をたてておくことも重要です。
そこまでを30分の面談中に行うことができたペア(対象者と支援者)がよい結果を出していきます。

1月の新潟管内、2月の倶知安管内の研修では、参加者のほとんどが、
自分達の行っている保健指導内容をもう一度見直し、今まで以上に、
対象者の期待や希望に沿った支援を行いたいという決意をしてくださいました。
これからも日々研鑽して、「役に立つ」と思っていただける栄養士でありたいものです。


★恒例★ 街めぐり すてきでした 冬の北海道!

     小樽駅に停車中の電車         余市町 ニッカウイスキー蒸溜所           白樺並木と雪景色
      成果の見える保健指導研修 参加者アンケート結果

    −これまでの保健指導に関する研修会で参加者からいただいたアンケート結果から−

   これまで自分の取り組みで          今後、心がけて                 アンケートの回答選択肢
          不足していた視点            取り入れたいと思う視点
                             
 
 対象者のほとんどは、すでに自ら何らかの努力をされており、言葉で伝えてくださるにも関わらず、支援者はスルーして
 しまいがちです。意欲やがんばりを「ほめる演習」も研修で取り入れていますが、言葉にして「人をほめる」ということは、
 少し練習が必要です。研修の「ほめる演習」を体験し、今後、意識して行うことができそうだという声がたくさんありました。

 「問題視する基準」が支援者によって違うことが多々あるようでした。どこまでなら許容できるか?どこまでやると成果につな
 がるのか?私達が複数の診療所での保健指導から得られたデータから、「ここまでならOK」、「このくらいの頻度は必要」
 等の基準をご紹介させていただきましたので、あとは、地域それぞれの食生活傾向を加味した基準を検討することが課題
 であると思います。

 「成果につながる目標」は抽出された問題点の中から、専門職の視点から、どこを改善すれば体重減量や検査値の改善に
 直結するのかを選ぶことが必要です。半数以上の参加者が今後、意識して行うと回答しました。

 改善に影響の大きい問題点の抽出は、参加者のほとんどが自信を持っていらっしゃることがわかりました。
 しかし、「成果につながる目標を優先的に設定する」ことは、足りなかった視点であり、今後、心がけたいということでした。
 この視点を意識できないと、対象者の意欲をそこない、期待を裏切ってしまうことにもなりかねません。

 「明確な評価基準で評価する」という視点の中には、行動変容の過程を対象者にも認識していただくということも重要です。
 自分がどこまでできたか、それが成果に結びついているのかを評価していくことで、あとどのくらい(量や頻度)やればいいか
 明確になってきます。また、対象者がすこしずつできていくことを認識することで、次の意欲につながります。

 「達成できなかった目標を対象者と話し合う」ということは不足していたと思いながらも、今後、取り入れようという回答の方
 が少なくなっています。これは、うまく聞く自信がない?できなかった目標はやめて、できる目標に切り替える? 
 効果的に改善に結びつく問題点の改善が目標となるのですから、できなかった目標は、それができるようになれば、成果に
 確実に結びつく目標だったかもしれません。
 そう考えると、どうしたらできるようなるか?どんなアイディアで目標を達成できるか?ポジティブに考えていければ、効率的
 かつ効果的ではないでしょうか。答えは対象者の中にあります。そこを引き出せるかどうか、どう引き出すかが成果の違い
 に結びつくと実感しています。
 
 これらの自分達の課題を一つずつクリアしていくことができれば、そして、プログラムの成果や事業成果を意識的に見ること
 ができれば、さらにこの事業の成果が上がり、何かしらの期待を持ってきてくださる対象者のお役に立てることになると思い
 ます。
 




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