平成22年度特定保健指導実践者スキルアップ研修会
                      2010.10.19 群馬県前橋市にて
 

「成果につながる事例を今まで以上に増やす!」 
確実に行動変容を促すためのポイントを確認し、事例検討も実施しました

 70数名の保健師や栄養士の方々を対象として、「働く人の食育」をテーマに
勤労者の保健指導に特化した保健指導実践者スキルアップ研修会の講師を務めさせていただきました。

午前中は、私達が実際に診療所での栄養指導や保健指導において実施している、
初回面談での動機づけの工夫、成果につながる改善目標の設定ポイント、実行率を高める工夫等々をお伝えしました。
勤労者の保健指導は、特に動機づけがとても重要になってきます。
仕事もご自分の身体のことも大事にしていただくための動機づけ方法について、
初回面談で実際に行っているやりとりやフレーズをご紹介しました。
今回は、事前に対応に困った事例を募っておき、午前中のお話の中や午後の事例検討で取り上げ、
解決のための糸口を提案させていただきました。事例は全部で14事例にもなったため、
大半は、話題ごとにポイントを絞ってのワンポイントアドバイスにとどまりましたが、
午後の症例検討では3症例をグループごとに検討していただきました。


研修後のアンケートから、参加者が「これまでに自分に不足していた視点」として、
1.取り組みがうまくいかない場合の想定と対処(52%)
2.成果につながる目標を優先的に設定すること(47%)
3.(対象者の食事・生活状況で)問題視する基準は妥当かを振り返ること(44%)
4.明確な評価基準で評価すること(43%)
これらが上位にあげられました。

多くの支援者は対象者の問題点(改善すべき点)をほぼ間違いなく抽出できていますので、
目標を設定する際には、どの点が本当に体重を減らしたり、血液検査の結果を改善したりする成果につながるのか、
優先順位を見極めてから、目標を設定すれば確実に成果が上がります。
また、食事や食生活とメタボのリスクは大いに関連していますので、その関連性を支援者が知ることができれば
減量のみならず、次の健診で脱メタボを実現する方々を増やすことができます。
さらに、ご本人が設定した目標を「できる!」と確信していても、日常に戻ればいつものペースが待っています。
せっかく有効な目標を設定できても、実行頻度が上がらなければ成果に結びつきませんので、
実行頻度が上げるためのひとつとして、「できない場合の想定」の対策を練る工夫が意外と重要です。
研修後、多くの方々が、これらの視点を今後の自分の指導に取り入れていこうと思ってくださる結果も見えており、
私達の実践している数々の工夫を共有していただけてよかったと思います。

これらの視点は一見、当たり前のことであり、保健指導に関わる支援者なら誰もができそうなことですが、
実際は、問題視する基準に自信が持てなかったり、本当にこの食習慣が検査値の改善に直結するのかと
迷っていらっしゃる方々が実に多いことを、各地の研修会を担当させていただき実感しています。
減量すること、メタボのリスク(検査値)を改善するための理論はたくさんはありません。
支援者がそれらの理論をしっかり把握し、「こうすれば変わる!」という根拠のある「自信」を
支援者自身がまず持つことが、成果がみえる保健指導の第一歩だと私達は確信しています。





今回は主催者が研修の成果を計るアンケートを実施してくださいました。
本研修の達成目標をあらかじめ設定しておいたのですが、参加者が今後、それらの目標をどの程度、達成できそうか、
下記に結果を示します。研修後ではどの目標でも、研修前よりは「できる」という自信を持ってくださる方が増えました。
本研修では、動機づけに関する具体的な問いかけや問題視する基準、
リスクと食事の関連、達成率を上げる具体的な目標の設定方法、
対象者をタイプに分けた対応ポイント等々を実務レベルでお伝えできたことやたくさんの事例から、
まだ経験の少ない方々も根拠のある「自信」を持つことができたのなら、とてもうれしいです。


     1.対象者の潜在的意欲を引き出し、生活改善のための動機づけができる

*回答者 
 66名(回収率92%)

*未回答
 研修前 6名
  (設問1は7名)
 研修後12名
        
 












      2.初回面談時、対象者を理解し、優先すべき改善点を確実に把握できる

      3.対象者が成果を実感できる目標を設定できる


      4.対象者の目標実行率を高めるための工夫ができる

     5.対象者の成果の評価を行い、対外的(対象者や保険者等)に「成果をみせる」ことができる

参加者の皆さんからの感想・意見です。(アンケートの回答から一部抜粋しました)

1症例検討会について

・ 普段、保健指導をしていると独りよがりになってしまうが、他の専門職の方々と検討しあえたり、
 講師の先生からアドバイスを聞くことができて、視野が広がりました。
対象者の動機づけをあまり意識していなかった。ここが出来ていないと、継続できないことを
 知ることが出来た。
動機づけの重要性が理解出来た。柔軟に対応することの必要性を感じた。
・ 動機づけの仕方を学ぶことができた。具体的な声かけ方を学ぶことができた。
問題点をあげすぎていたので、ポイントを絞って実践できるように支援していきたい。
具体的な検討ができて、明日からの保健指導にすぐに役立ちそうです。
現場で使えるアイデアが満載でした。
・ 自分で関わったことがあるような事例が多く、参考になった。
・ 他の参加者と意見を出し合えてよかったです。
 先生からのコメントもたくさんありがとうございました。
・ 具体的数値として、改善結果が現れたかを示すことが重要だとわかった。

2研修全体について

・ 保健指導でうまくいかなかった部分について、何に原因があったのか気づくことが出来た
・ 動機づけが指導ではポイントとなるため、今後、初回面接での動機づけを頑張って行いたい。
・ 実際どのように対象者へ声をかけているかを聴けたのが参考になった。
・ 自分に足りなかったことに気づけ、これからの面接に自信が持てそうです
・ 「成果がみえる保健指導」と「働く人の食育」というチラシに惹かれて参加しました。
 取り入れてみたい技法がありましたので、早速、実践していきたいと思います。
"これはダメ""これをして下さい"と言っても、具体的に何をすればよいのか伝えなければ、
 対象者は行動できないことがわかった。
"障壁”もとても勉強になりました。
・ 全体的にとても勉強になりましたが、まだまだ自分の勉強不足の面もあるので、
 そこを補強していこうと思います。
・ 実際にあった症例に基づいて具体的な栄養指導を考えられた。これから指導を始めるのですが、
 少し自信が持てました。
・ “栄養士としての視点”とても参考になりました。
・ タイプ別のアプローチ方法は経験的に自身もしているつもりだが、ケースを積み、まとめてみると
 指導上の戦略となりそうだ。
・ すぐに実行に移せる内容だったの、参考になった。
・ 言葉がけ語録を具体的に知ることができてよかった。
・ 保健指導の具体的な対応の仕方が豊富だったので、役に立った。
・ 講義内容が非常に明確かつ具体的だったので、今後の現場にぜひ活かしたいと思えたので
 よかった。
・ 大変、勉強になりました。現場を知っている講師のお話だったので具体的でよかったです。
・ 内容がわかりやすく、話も楽しかった。


  たくさんの感想、ご意見ありがとうございました。   



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